この記事では、海外赴任をする駐在員・駐妻・駐夫が出国前にするべき現地用の銀行口座の開設方法について解説します!。結論としては、これまでアメリカ駐在員が恩恵を受けてきたユニオンバンクのパシフィックリムカンパニーベネフィットプログラムは新規受付を停止してしまったため、Wiseのマルチカレンシー口座を開設することが唯一の方法となっています。

うちはユニオンバンクで開設したね

まさか新規受付がもうできないなんて、、
ユニオンバンクの海外口座開設について
カリフォルニアアカウントプログラムの概要
アメリカに駐在する方は、三菱UFJ銀行の子会社であるユニオンバンクのカリフォルニアアカウントプログラムを利用して、アメリカの銀行口座を日本にいながら開設することができました。
本来であれば、アメリカの銀行口座はソーシャルセキュリティナンバー(SSN / 社会保障番号)や現地の住所がなければ開設できません。しかし、日本の駐在員やその家族はこのプログラムを利用することで出国前に現地の銀行口座を開設し、給与振込口座として指定することができました。
また、キャッシュカードとデビットカードも発行できたので、海外送金サービスであるWiseと組み合わせることで、出国前にあらかじめ現地で必要な金額をドルに両替して現地の銀行口座に保有しておくことで、いざというときにお金がない!という事態を防ぐこともできました。
ユニオンバンクは、世界で最大級の金融機関の一つである三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のグループ銀行です。ユニオンバンクは、カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州において、300を超える支店を展開しており、邦銀の米国グループ銀行としては、最大規模を誇ります(2021年6月末現在)。MUFGグループの一員として、ユニオンバンクは約150年にわたり、質の高いサービスと革新的な商品を提供しています。
MUFG

現地の銀行口座があるだけで一安心だよね

日本語でサポートしてくれるのもうれしいところ!
三菱UFJ銀行によるユニオンバンクの売却以降の対応
しかしながら、2021年9月21日に三菱UFJ銀行がユニオンバンクの売却を公表し、2022年にU.S.Bankへの売却が完了しました。
ここで気になるのは、カリフォルニアアカウントプログラムは元々ユニオンバンクが三菱UFJ銀行の子会社だったため、これまで日本人向けの口座開設サポートをしていたものが、現地の銀行に買収されたことで、このサービスがなくなってしまうのか、ということですよね。
この対応については、既にカリフォルニアアカウントプログラムに申し込んで現地口座を保有している方は引き続き日本語でのカスタマーサポート等を受けられますが、2022年11月22日をもって新規受付は停止されています。
そのため、これからアメリカに駐在をされる駐在員や駐妻・駐夫の方はユニオンバンクで日本にいながらアメリカの口座を開設することはできなくなりました。

しょうがないね、、

既に口座を持っていれば日本語でのカスタマーサポートは受けられるよ!
Wiseのマルチカレンシー口座の開設方法
Wiseのマルチカレンシー口座とは?
一般的に、アメリカに限らず海外の現地の銀行口座はソーシャルセキュリティナンバー(SSN / 社会保障番号)や現地の住所がなければ開設できません。しかし、Wiseのマルチカレンシー口座であれば、日本にいながら外貨用の口座を年会費や口座維持費は無料で開設できます。
また、Wiseマルチカレンシー口座のデビットカードも発行できるので、現地での現金の引き出しやデビットカードを利用した支払いも可能です。
利用可能な通貨
GBP(イギリスポンド)、EUR(ユーロ)、USD(アメリカドル)、AUD(オーストラリアドル)、NZD(ニュージーランドドル)、CAD(カナダドル)、HUF(ハンガリーフォリント)、SGD(シンガポールドル)、TRY(トルコリラ)、RON(ルーマニアレウ)

Wiseって送金サービスだけじゃないんだね!

デジタル口座って便利そう!
Wiseのマルチカレンシー口座の開設方法
Wiseアカウントは全てオンラインで無料で開設することができます。本人確認書類に加えて、住所確認書類のアップロードも必要なので、出国前に口座を開設しておきましょう。
- Step.1メールアドレス、Facebook、Google、Appleアカウントを使用してアカウント登録
- Step.2氏名、住所などの必要情報を入力
- Step.3本人確認書類のアップロード
※身分証明書(パスポート、顔写真付きの運転免許証など)
※住所確認書類(公共料金の領収書など) - Step.4本人確認が完了したら口座が利用可能
※審査期間は最大10営業日、審査結果はメールで通知
海外で現地口座を開設するためには?
ここまで、日本にいながらにして海外現地口座を開設する方法について解説させていただきました。このほかにも、タイのKrungsri BankやフィリピンのPNB Bankなども日本支社経由で日本にいながら口座開設ができるようですが、審査もあり海外赴任に関する会社の辞令などの提出も必要です。
- Krungsri Bank:タイ国内の銀行で、三菱UFJグループの傘下にあります。海外赴任者向けの口座開設サービスを提供しており、日本の三菱UFJ銀行の口座を持っていれば、オンラインで申し込みができます。ただし、口座開設後にタイの支店に出向いて本人確認をする必要があります。
- PNB Bank:フィリピンの大手銀行で、日本にも支店があります。日本の支店で口座開設の申し込みができますが、フィリピンの口座には最低10万ペソ(約20万円)の入金が必要です。また、口座開設後にフィリピンの支店に出向いて本人確認をする必要があります。
- BDO Bank:フィリピンの大手銀行で、日本にも支店があります。日本の支店で口座開設の申し込みができますが、フィリピンの口座には最低10万ペソ(約20万円)の入金が必要です。また、口座開設後にフィリピンの支店に出向いて本人確認をする必要があります。
その他、シンガポールではDBSやOCBC、ヨーロッパではバークレイズ銀行やHSBC、ロイズ銀行では海外口座を開設することができますが、最低入金額が高額(日本円で1千万円以上)であったり、直接現地の支店に出向いて手続きをしないといけないといった条件があります。
日本にいながら開設できる口座として最もハードルが低く、その後の通貨両替なども考えて利便性が良いのはWiseのマルチカレンシー口座でしょう。
ただし、Wiseのマルチカレンシー口座はデジタル口座であり、利息などは発生しません。もし現地の銀行口座を開設したい場合は、ひとまずはWiseのマルチカレンシー口座で乗り切り、諸々の手続きを終えて必要書類や住所を確保できてから、口座開設手続きを進めていくのが良いでしょう。

海外の銀行口座は利率がいいよね

利息が日本の銀行とは比べ物にならないよ!
まとめ

アメリカ駐在員にとってユニオンバンクの銀行口座を開設できなくなってしまったのは残念ですが、Wiseのマルチカレンシー口座があれば、利用可能な通貨に関してはより良い為替レートで両替ができ、現地に到着してから銀行口座を開設した後にも簡単にそちらの口座に送金することができます!
現状、日本にいながら開設することができる外貨口座として最も開設のハードルが低いと思われるのがこのWiseマルチカレンシー口座です。まずはこの口座を開設しておけば一安心かと思います!
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