この記事では、渡航前にしておくべき機内預け荷物、航空便・船便・外部倉庫の荷物の仕分け方について解説します。
機内手荷物としてバックパックや小さめのスーツケース、預け荷物として1-2個のスーツケースを持って1-2週間程度の海外旅行に行かれた方は、手荷物・預け荷物のイメージは湧くと思います。
数年間の海外赴任の場合はこれに加えて、現地で必要なものを航空便・船便に分けて送るとともに、帰国したときに使いたいものなどを外部倉庫に預ける、という手続きが必要になってきます。

航空便と船便は何が違うの?

送れるもの、時間、料金が違ってくるよ!
機内預け荷物とは?
概要
機内預け荷物とは、飛行機に乗る際にカウンターでお預かりしてもらう手荷物です。
ANA / JALで異なりますが、ANAの場合は、エコノミー・プレミアムエコノミー・ビジネスクラスであれば2個、ファーストクラスであれば3個まで、既定の重さ(23キロ又は32キロ)を超過していなければ、追加料金なく預けることができます。

JALの場合は、エコノミー・プレミアムエコノミーであれば2個、ビジネスクラス・ファーストクラスであれば3個まで、既定の重さ(23キロ又は32キロ)を超過していなければ、追加料金なく預けることができます。

また、初めての海外赴任の場合は、JAL、ANAともに海外赴任パックに申し込むことで、無料で2個まで機内預け荷物を追加することができます。
ANAとJALでビジネスクラスの預け荷物の数、大きさの制限が違うよ!

海外旅行とかする時の荷物は機内預け荷物だよね

海外旅行だとスーツケースを1個預けることが多いよね
特徴と注意点
機内預け荷物は、到着後すぐに受け取れる、配送料がかからない、破損したり紛失する可能性が低いというメリットがあります。一方で、サイズや重量制限があるため多くの荷物を運ぶことはできない、空港まで持ち運ぶ必要がある、出発前や到着後に預け・受け取り時間がかかる、といったデメリットがあります。
なお、お預かりしてもらえる手荷物は、3辺(縦・横・高さ)の合計が158センチ以内です。また、無料分を超えた場合は超過手数料が発生します。
スーツケース以外にも、既定の大きさの範囲内だったらダンボールでも預けることができるので、機内預け荷物を2個以上したい場合はダンボールを購入すれば大丈夫。

ダンボールを使う場合はしっかりガムテープで補強しないとね

ダンボールには雑に扱ってもいいようなものを入れよう!
航空便とは?
概要
航空便とは、その名の通り飛行機で空輸する輸送手段です。料金は高めですが、韓国や東南アジア圏などであれば3~6日程度、欧米諸国でも2-3週間以内には配達されます。
機内預け荷物は航空会社のチケットを購入すればついてきますが、航空便と船便は航空会社のチケットとは別に運送会社に見積り、集荷、配送依頼をしなければいけません。
代表的な運送会社は、日本通運とヤマト運輸です。両社ともに航空便、船便に対応していますし、貨物保険もついています。また、現地での受け取り日時の調整なども日本語で対応してくれるので、現地でのコミュニケーションに不安がある場合はいずれかの会社に依頼しましょう。

うちの会社は日本通運に依頼することになっているよ

荷物がつくまでに配達先の家を確保しないとだね!
特徴と注意点
航空便は、配達までの期間が約2-3週間と短いのがメリットです。荷物当たりの重量制限(45kg)はあるものの、よほどのことがなければ超過することはありませんし、貨物保険もつけることができますので、万が一荷物の破損や紛失があった場合にも安心です。ただし、船便と比較すると料金も高く、航空便では輸送することができない危険品や制限品があります。
航空便で荷物を送る際は、運送会社(日本通運、ヤマト運輸)に依頼して、集荷時間に自宅まで来てもらって仕分けされた荷物を運搬してもらうことになります。実際の集荷-到着までの流れについては、「荷物の集荷依頼-配送-到着までの流れ」をご参照ください。
荷物が現地に到着したときにまだ住居が決まっていない場合は倉庫に保管してもらえるので、住居が決まったら配送の連絡をしよう!

現地についてから家探しするなら、家が決まる前に荷物が到着するケースの方が多いよね

現地での調整も必要だから、日本語でやり取りができたのは良かった~
船便とは?
概要
船便とは、こちらもその名の通り船で荷物を送る輸送方法です。航空便と比較すると料金は安め(立法メートル当たりで計算されます)ですが、到着までに2か月-3か月程度かかります。航空便と同じく、貨物保険もつけることができますので、万が一荷物の破損や紛失があった場合にも安心です。
こちらも、運送会社(日本通運、ヤマト運輸)に依頼して、集荷時間に自宅まで来てもらって仕分けされた荷物を運搬してもらうことになります。実際の集荷-到着までの流れについては、「荷物の集荷依頼-配送-到着までの流れ」をご参照ください。

忘れたころに届きそう・・・

あったらいいなってものを送る感じだね
特徴と注意点
船便は重量やサイズに制限がなく、航空便で送れないような大型の荷物も輸送できるというメリットがあります。一方で、配送には数か月程度の時間がかかってしまいます。
また、内容物によってはインボイスや税関告知書の作成が必要となりますが、運送業者に依頼すれば配送連絡や税関手続きのサポートは受けられますので、ご安心ください。
航空便では送れないような大物の家具(ベット、テーブル、机、椅子など)が中心。現地調達できるものは日本で処分又は外部倉庫に預けちゃおう!

お気に入りのデスクと椅子はなんとしても送りたい!

他は大体現地調達できるから、あんまり船便で送るものはないかな、、
外部倉庫(トランクルーム)とは?
概要
外部倉庫(トランクルーム)とは、海外赴任する際に現地に送る必要がないもの(帰国後に利用するもの)を預けておいておける場所のことです。
預けておく期間や荷物の量(立法メートル単位)によって料金が変動します。日本通運であれば倉庫保管サービスを提供していますので、航空便や船便を日本通運に依頼しているのであれば、まとめて外部倉庫も依頼してしまうと良いでしょう。ヤマト運輸は外部保管サービスは提供していないようです。
その他にも、ストレージサービスを提供している業者(キュラーズ、宅トラなど)もありますが、預ける荷物や期間、保管サービスの内容(屋内、屋外、空調管理など)を考慮して検討しましょう。帰国後にも使用したいベッドやソファー、食器棚などの大型家具の保管であれば、日本通運や三井倉庫などの業者に依頼した方が、対象コストがかかったとしてもより良い環境で保管してもらえると思います。

うちの会社はここまで一括して日本通運にお願いしているよ

大型家具や結婚記念品とか大事なものも預けるから、なるべくきちん保管をしてくれそうな会社がいいよね
特徴と注意点
外部倉庫に預ける場合は、預け先の保管環境の確認が必須です。もし屋外倉庫やコンテナで保管する場合は、梱包していたとしても多少の劣化はさけられませんし、空調の有無によっても変わってきます。
また、海外赴任の際に外部倉庫に預けるプランは荷物を帰国後に一括して配送するので、保管期間中に一部だけ取り出すことはできません。もし一時帰国をしたときなどに取り出したいものがあるのであれば、キュラーズなどのストレージサービスを利用するか、実家に預けておきましょう。
貴重品や大事なものは外部倉庫ではなくて実家に預けておくと一安心!

空調もしっかりしてるなら安心して預けられるね

帰国後使いたいものだけ預けて、いらないものは売るか捨てちゃおう!
仕分け方のポイント
ポイント①:必要なものと不要なものに分類する
荷物をそれぞれの輸送方法や保管方法に分類する前に、まずはそもそも必要なものかどうかを分類しましょう。不要なものであれば輸送・保管をする必要がありませんので、メルカリやヤフオクなどのネットオークションで売却したり、ジモティーで売却・譲渡したり、捨ててしまいましょう。
大型の家電・電化製品(冷蔵庫、洗濯機など)は現地で利用できないものの、帰国してからも使いたいと思うかもしれませんが、赴任期間が長期にわたる場合(2-5年以上)は保管して全く利用していないと激しく劣化してしまいますので、売却・処分してしまった方が良いでしょう。
廃棄するにしても廃棄料金がかかってくるので、お金を払って処分するくらいなら、無償でもジモティーなどで人に譲ってしまってもいいかもしれません。
大型家電は使用していないと劣化が激しいので、売却・処分してしまおう!

帰国時には新しいものに買い替えよう!

これを機に断捨離もしようね
ポイント②:現地に送るものと日本に保管するものを分類
必要なものの中でも、日本に帰ってきてからも使いたいものと現地で使いたいものを分類しましょう。現地では使えない(必要ない)けど日本に帰ってきてからは使いたいもの、そもそも海外に輸送できないものは、外部倉庫に預けるか、実家に保管することになります。
現地で入手可能なものは送らない!

現地でスーツは着ないけど帰国したら着るから日本においておくね

そう考えると絶対に持っていかなきゃいけないものってそこまで多くないかも、、
ポイント③:預け荷物、航空便、船便の仕分け
現地に送るものが決まったら、到着までの期間や送れるものを考慮してどの輸送手段で送るか分類していきましょう。特に、航空便では送ることができないものでも、船便では送ることができるものがありますので、こうしたものを送りたい場合は船便に分類しておきましょう。

リチウムイオン電池を内蔵したものは機内手荷物で持っていこう!

パソコンとかは到着後すぐに使いたいもんね

日本製の日用品が欲しい場合は船便で送ればいいんだね!
ポイント④:不足しているものの買い足し
今持っている家具・家電や消耗品の仕分けが完了したら、現地で必要なものを買い足しておきましょう。特に、日本製のお気に入りの洗剤や漂白剤、化粧水やシャンプーなどの現地では手に入らない日用品は大量に購入して船便で送っておけば、現地生活も安心です。
現地で入手不可能なものは大量買いして船便で輸送しよう!

洗剤とかシャンプー、リンスでダンボール数箱分にはなったね

お気に入りのものがありまして、、、
荷物の集荷依頼-配送-到着までの流れ
それでは実際に、日本通運に依頼した場合の集荷依頼-配送-到着までの流れをみていきましょう。(航空便、船便、外部倉庫まで一括で依頼した場合。梱包も併せて依頼)
- Step.1見積依頼
日本通運に連絡して見積を依頼。指定した日付に家を訪問してくれるので、そこで送るもの・送らないものを伝える。※見積もりが必要なので、この時点で航空・船便・外部倉庫の大まかな仕分けは考えておく
- Step.2日程調整
同日に航空便、船便、外部倉庫の荷物ごとの集荷日を調整。荷物の量によっては数日がかりになる可能性もある
- Step.3仕分け作業
集荷日までに渡されたシール(航空便、船便、外部倉庫)を該当する物資に貼っていく。梱包を依頼している場合は梱包は不要だが、物品の種類ごとにまとめて置いておくと集荷がスムーズに行える
- Step.4集荷当日
作業員の方が貼られたシールを見て梱包していく。シールが貼られていないものや運搬できないものがあったときに確認が必要なので、同席が必要 ※掃除やオンライン手続きなどをしておくと時間をつぶせる
- Step.5集荷完了確認
集荷された荷物のリストが提示されるので、内容物の確認と貨物保険のための金額の目安を記入する。紛失時・破損時の保険金の目安になる
- Step.6到着
現地倉庫への到着日目安が連絡されるので、配送希望日を調整する。あとは、配送日に現地スタッフが荷物を運搬・設置してくれる

集荷当日に「これは送れません」とか判断してくれるよ

3日くらいに分けてやったから大変だったね、、。
荷物の仕分けリストまとめ(おともおっと家の場合)


大まかに分類はしておいて、最後は業者の人に確認しよう!

プロの判断にまかせましょう!
まとめ

荷物の仕分けは海外赴任準備でも一番といっていいほど大変な作業です。物理的に今持っているものを整理するだけでも一苦労ですし、そこから追加で買うものを考えたり、どの輸送方法で送るかを考えないといけません。
しかし!ここで荷物を整理できてしまえば、後は家を引き払って出国を待つのみです!日本でしか入手できないものやお気に入りの日用品類はまとめ買いして、快適な海外生活を過ごしましょう!
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